襲いくる恐怖

2004年9月16日
 祖母の手術ができなくなった。動脈硬化がかなり進んでいたらしく、手術が難しいと医者が判断したそうだ。その説明を受けたのは、一番下の娘で僕のおばにあたる人だ。50歳を超えているが、今だ独身。
 母は、おばの悲しみを理解しているようだった。「結婚して子供を持つと強くなれるが、独り身だとつらいだろう」と。祖父が他界している今、おばにとって家族といえるのは祖母だけなのだから、心細さは一入だろう。もちろん、兄である僕の父や姉など兄弟はいるが、みな結婚してそれぞれの家族を持っている。
 この世に一人残される寂しさ、恐怖を想像しようとするが、あまりにも痛々しくて想像しきれない。もし、今の僕に降りかかってきたら、とても耐えられないだろう。どうして、世の中にはこんなに孤独や悲しみが溢れているのだろう。一段上の優しさをえるため?強くなるため?そんなの意味がない。理由を考えること自体、意味がないのかもしれない。ただ、誰もが平等に訪れるものと人は言う。感じ方や捉え方が違う以上、不公平さはぬぐえない気がしてならない。
 祖母が入院してから、僕は自分の不平を口にできなくなった。わがままも言えなくなった。両親はそれどころではないだろうから。僕にとってそれは強く乗り切るきっかけとなるのだろうか?それとも胸の内に溜め過ぎてパンクしてしまう原因となるのだろうか?分からない。ただ今は、現実に起きている事柄に身を委ねるしかできそうにない。

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